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つまり、生活スタイルの変化につれて、病気の様相もおおいに変わってきているのだ。
なお、ふえているガンとして、肺ガンにも気を配らなければなるまい。 女性では乳ガンに気をつけたい。
日本人の死因は、現在では第一位がガンである。 厚生省の統計によれば、亡くなった人の三?四人に一人がガンで倒れているという。
ガンの中では、とりわけ胃ガンが多い。 それに比べて、大腸ガンは少ない。
いや、少なかつい病気の発病を未然に防ぐことだってできるのだ。 実際に、健診や人間ドックが役立って病気が早期に発見され、健康を守るのに役だった実例をこれから紹介してみよう。
健診や人間ドックの意義が、十分に分かっていただけることと思う。 さて、胃ガンを早期に発見するには、胃内視鏡検査が威力を大いに発揮する。
大腸ガンを早期に発見するにも、やはり大腸内視鏡検査が有力だ。 が、考えてもみよう。

胃内視鏡検査に比べて、大腸内視鏡検査はすんなりとはいくまい。 胃内視鏡検査では、食事を取りさえしなければ、からつぼになった胃を観察するのはわけないのだ。
そんなわけで、胃ガンの早期診断に比べて、大腸ガンの早期診断は遅れていた。 だが、大腸には誰しも糞塊が詰まっている。
大腸を観察するには、この厄介な糞塊を取り除かなければ、とうてい無理な話だ。 そこで、なるべく糞塊が残らないように食事を制限しなければならない。
しかも、下剤を飲み、涜腸をかけなければならない。 胃内視鏡は口から挿入するので、ガマンして飲み込みさえすればあとは簡単だ。
これに引き替え、大腸内視鏡は虹門から差し入れるので、食べ物とは逆行ルートをたどる。 だから、検査を受けているあいだ中、抵抗を感じることになる。
さらに、差恥心も手伝う。 女性はとりわけ、男性だって、いささかなりとも恥じらいがあるものだ。
便を少しとり、その中に血液が混じっているかどうかを試薬を使って検査する。 もしも大腸ガンやポリープがあれば、そこから出血することが多い。

出た血液は、便に混じる。 眼で見ても血便とは分からないごく微量の血液でも、検査をすればめざとく発見できる。
さらに、便の検査なら、わざわざ病院にでかけなくとも、職場などの健診でも簡単におこなえる。 もっと進めば、便を郵送して検査を受けることだって可能だ。
そうしたおかげで、ふえつつある大腸ガンも早期に発見できるようになってきた。 この検査では、進行した大腸ガンなら九○?九五パーセントの確率で発見できる。
小さな早期大腸ガンでも、四五?七○パーセントの確率で診断できるという。 こんな内容の記事を、朝日新聞の日曜版に載せたことがある。
新聞やテレビなど、マス・メディアの反響は想像以上に大きい。 新聞を見たという初老の男性が早速に著者を訪ねてやってきた。
案の定、便を調べて欲しいという。 便を三日間とってもらい、調べてみた。
一日だけだと、たとえ大腸ガンがあったとしても、たまたま出血しない可能性がありうる。 いうわけだ。

最近になって、ごく簡便に大腸ガンが早期に発見できるようになった。 それが便の潜血検査というものだ。
だから、大腸ガンを発見するには、少なくとも二日間、できれば三日間は検査することが望ま男性は、二日間の便で潜血反応がいずれも陽性になった。 もちろん、便に血が混じるのは大腸ガンだけとは限らない。
大腸ポリープもそうだが、潰傷性大腸炎、クローン病といわれる限局性回腸炎、場合によっては胃潰傷や十二指腸演傷なんかでもだから、便の潜血反応が陽性になった場合には、慎重に診断を進めなければならない。 出血の原因を診断するために、大腸内視鏡検査をおこなってみた。
すると、案じたとおり、虹門から一五センチメートルくらいの部位に、ガンが見つかったのだ。 男性は、すぐに治療を受けることに同意した。
そこで、外科医に手術を依頼し、入院して手術を受けてもらった。 幸いにも、転移はどこにもなかった。
あくまでも早期の大腸ガンだったのだ。 手術を受けてから二年になるが、転移も再発の徴候もまったくない。
患者は、たまたま著者が書いた新聞記事をみて、積極的に健診を受けに来られたのが命を救われることになった。 健診の威力は大きいといえよう。
それは、ガンには血管が豊富であることに原因がある。 さらに、ガンが大きくなりすぎて崩れ、出血することもある。
だから、ガンに出血はつきものなのだ。 逆にいえば、出血しているのを確認すれば、それがガンを発見する重要な手がかりになる。
さて、腎臓ガンでも、ご多分にもれず出血が起きてくる。 腎臓はよく知られているように、尿をつくる臓器だ。

尿をつくる臓器にガンが起これば、血液が尿中に出てくることはちっとも不思議でないことが分かっていただけるであろう。 大腸ガンでもよほど大きくなれば、目で見てすぐに分かるほどの血便が出る。
腎臓ガンも、かなり進行すれば、真っ赤、もしくは黒い尿になる。 これなら、誰しも異変に気のだ。
が、そこまで進まないうちに腎臓ガンを発見するとなれば、尿を採り、そこに血液が混入していないかどうかを調べるのが一番である。 出血するのは、なにも大腸ガンばかりではない。
胃ガンにしろ、肺ガンにしろ、子宮ガンにしろ、あらゆるガンというガンでは出血しやすいも病院を受診したときや人間ドックではもちろんのこと、会社や学校の健診でもほとんどの場合、尿検査がおこなわれるだろう。 それは手軽に検査でき、しかも得られる情報は多いからだ。
著者は二○年ほども以前に、ある会社の医務室に勤務していたことがある。 そこで会社従業員について、全員の健診の結果を判定していた。
三八歳の係長の検査結果が目に入った。 尿の検査でわずかだが、血液が混じっているのだっ尿に血液が混じることは、ガンでなくとも、しばしばある。
勝眺炎や尿道炎では、炎症を起こした勝眺や尿道の粘膜からじわりと出血し、尿に血が混じってくる。 尿管結石では、激烈な痛みとともに血尿が出る。
、まったく健康な人でも、過労が重なったり、あるいは風邪などで発熱すれば尿に血が出た。 係長も過労かもしれないな、と最初は軽く考えた。
だが、気にはなる。 念のため、医務室に来てもらい、再び尿検査をしてみた。

尿中に血液が混じっていることを調べるには、尿に試験紙をつけてみて、血液と試薬の反応を試験紙の色調の変化として確認する。 もしも反応が陽性に出れば、尿を顕微鏡でくわしく調べ、赤血球の存在を確認する手はずになる可能性はある。
過労なら、しばらくすれば尿の血液は陰性になるはずだ。 また、ので、診断はいとも簡単である。
医務室で尿を再検してみた。 が、結果はまたしてもクロだった。
も、尿には血液が混じっているのだった。 腎臓ガンかもしれない。
勝眺炎なら、自覚症状があるしかも、くり返して検査して一八歳という若さではあるが、著者は、ここで悪い予感がした。 そこで、造影剤を点滴で注射し、腎臓と勝眺をレントゲンで撮影することにした。
腎孟勝眺撮検査というものである。 検査の結果、左の腎臓にガンが見つかった。

すぐにでも手術しなければ命取りになりかねない。 そこで早速、泌尿器科に紹介し、手術を受けてもらうこととした。
幸いにも腎臓は左右に一個ある。 どちらか一個を手術で切り取ったとしても、日常生活はそれ健までと変わりなく送ることができる。

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